四谷学院を評価する!!

 

 

 さて、今回は四谷学院について、書こうと思います。

 皆さん、四谷学院という予備校をご存知でしょうか?

 科目別能力別クラス授業55段階個別指導のダブル教育で偏差値20up...がうたい文句の近年成長を遂げている予備校のひとつです。評判もなかなかいいそうですネ。

 

 予備校選びで四谷学院が選択肢に入ってるそこのあなた、ズバリ…

 

 四谷学院はおすすめしません!!!

(*文系の話であり理系は分かりません。しかし、理系だけ待遇が異なるということはないので、参考にはなるかと思います。また、個人の主観であることをご理解ください。)

 

 

 私は浪人時代を四谷学院で過ごしたのですが、成績が全く上がらず受験に失敗しました。結果、第一志望の国立大学は落ち、センター試験が終わった後に慌てて出願した、過去問すら目を通していない大学に進学することになりました。

 

 同じ校舎に私以外の国立文系志望の者は10人ほどいたのですが、1人だけ一橋大学に見事合格しただけで、残りは玉砕しました。

 

 また、私立文系の方たちは、大半がMARCHかそれより下の大学に進学。中には早慶に受かった方もいましたが、私が知る限り1人しかおらず、浪人の文系の進学実績は壊滅的な結果となっていました。

 

 センター試験が終わった後、その校舎の文系浪人生の結果が私を含め全体的に芳しくない、ということを知り、私は例年と比べてどうであるのか、と先生に尋ねたところ、例年通りと言われたのを今でも覚えています。

 

 その時、毎年早慶に受かる浪人生はセンター利用を含め、3人程度であることを知り、早稲田大学の合格者は、東大京大に合格するような人がセンター利用で合格し、慶応の場合は、倍率が下がる数学で受験できる難関国公立志望の人が主に受かっている、ということが分かりました。案の定、私の年の結果も私立文系で早稲田に受かったのは、私が知る限り1人で、後はセンター利用によるものでした。

 

 つまり、私は四谷学院難関大学合格者数の大半は現役生によるもので、浪人生の合格者は大半がMARCHクラスの大学であると推測します。

 

 また、講師満足度が高いことを売りにしている四谷学院ですが、この講師満足度というものはあてにはなりません。理由は一つ。主に講師に満足している生徒が対象のデータだからです。

 「四谷学院の講師に満足しましたか?」このような質問は基本退塾時に聞かれる問いだと思います。退塾時に校舎に赴くのはどのような人でしょう?

 

 そう、志望校に合格した人ですよね。合格して伝えに来る人は基本四谷学院のおかげで合格できたと思い込んでいる人たちです。合格不合格問わず、四谷学院に不満を抱いている人はわざわざ四谷学院に足を運びますか?不満がある合格者は電話で報告して終了でしょう。受かったんですから早く遊びたい気持ちが先走っているはずです。また、不合格者は「あんなところ二度と行くもんか」ってなるのが普通ではないですか?

 

 つまり、講師満足度というのはその予備校に感謝している生徒を対象としているデータであると考えられます。

 

 以上のことから、講師満足度は予備校選びには必要ない指標だと思います。これは、どの予備校でも同じようにデータを集めていると思うので、信用しないが吉だと思います。

 ここで、余談となりますが、今の話、逆を言えば不合格者だけにその予備校の評価をしてデータ化したものであれば、めちゃめちゃ信用できませんか?

 塾側も改善点が浮き彫りになるだろうし、予備校選びに悩んでいる人も塾生の指摘するデメリットなら信用できるだろうし。まさに一石二鳥だと思うんですけど...笑笑

 

 

 

 さて、不満ばかり述べてきましたが、四谷学院の指導が全て悪かったとは思っていません。中にはとても重宝していたものもあります。

 そこでこれから僭越ながら私が、四谷学院の長所と短所を挙げて評価していきたいと思います。内状を詳しく書くつもりなので、是非今後の予備校選びに役立ててください。

 

長所

 ①自習室

  四谷学院のホームページを見ていただければ分かるのですが、四谷学院の売りのひとつに自習室があります。さんざん愚痴をこぼしてきた私ですが、この自習室は本当に良かったと感じています。長時間座っていても疲れないようクッション付きの椅子が完備され、横にいる生徒が目に入らないように仕切りが付いた机はB5の教科書を横に2つ並べられるほど広く設計されていました。自習室内は適度な温度を保っており、加湿器も設置されています。時間制限もなく、長時間空席にしなければ朝から晩まで利用できるのは利点であります。

 

 ②55段階個別指導 (*後に短所があることにご注意ください。)

  55段階個別指導(以下55段階とする)は難易度・分野別に45級~10段までに割り振られた問題を解き、先生に提出し採点・解説をしてもらい、段階的に基礎を固めていくというシステムです。問題は各級ごとに出題される教科書の範囲が決まっており、予習→テスト→採点・解説→復習のサイクルを軸としています。初段~10段は学校別に問題があり、それぞれの入試問題や難易度に適した問題で構成されています。(例:東大文系、早慶文系、国立理系など)

 

 先生は常駐しており、55段階の問題だけでなく、授業で扱った問題や入試問題まで質問することが可能です。先生が生徒の名前を覚えてくれるため、間違いの傾向などを指摘してくれたりもします。

 

 私は国立志望であったので、国語が全て記述式でした。そのため、よく面倒をみてくれた55段階の先生に記述の添削をお願いし、1週間ごとに解説してもらいました。また、英語でも自由英作文の添削をしてもらったりと、先生方には大変お世話になりました。

 

 

短所

 ①クラス授業

  毎月実施するクラス分けテストの結果でクラスが編成されます。基本80点以上をとれば上のクラスに上がることができ、悪い点でも下のクラスに下がることはありません。クラスはレベルの高い順にH、S、Bの3つあり、医学部や東大志望の方にはTという特別クラスが設けられています。科目ごとにクラスは変動します。(例えば英語はH、数学はSなど)

 

 苦言を呈したいのは英語です。まずは教科書について。英語は長文解釈や文法で教科書が分かれていたのですが、中には先生が内容をあまり把握できないほどの難しすぎる問題が含まれていました。私の周りに帰国子女の方がいたのですが、彼女が言うにはこんな英語は初めて見る、とのことでした。そのような文章を読ませる意味があるのか私には皆目わからなかったです。

 

 また、英語の先生のレベルがバラバラであったこともマイナスポイントでした。確かに、中には発音も良く、論理的に問題を解説してくれる先生がいました。しかし、カタカナ読みでただ文章を和訳して終わり、という先生もいました。彼曰く、訳が分かれば問題は解ける、とのことです。(全部訳せたら苦労しねぇよ)後者の先生は長いこと四谷学院で教鞭をとっているらしく、多くの校舎で授業をするなど幅を利かせているみたいでした。また、自分が通訳案内士試験に合格したことを毎回自慢したり、女子を贔屓するような先生もいます。

 

 英語以外の科目の先生は可もなく不可もなく、という感じでしたが、先生のスケジュールが厳しく、授業の質問ができるのが1週間後というのがネックでした。私が通っていた校舎は都内にあったのですが、藤沢校や大宮校、中には静岡校の授業まで担当している先生がおり、授業が終わると移動しなくてはならないため、先生方の時間の余裕がなく質問の時間が限られていました。先生が足りていないのに新校舎を毎年建てていく四谷学院の営利至上主義的な方針は、生徒からはもちろんのこと、教師陣からの不満につながると思います。

 

 ②55段階

  55段階は指定された時間に指定された科目を受ける必要があり、いつでも好きな科目を受けられるわけではありません。そのため、提出した後解説までに30分以上待つことはざらにあります。また、55段階の問題は時間内に3つまでしか印刷することができず、その問題はその時間以外には解いてはいけません。さらに、最悪なのは問題を解くのに順番があることです。45級から順に解く必要があり、いきなり段に進むことはできません。待ち時間やそういった制約があるため、最初の頃は時間を無駄にしている感じが否めなかったです。

 

 また、55段階は一つの教室で行われるため、いやでも解説の声が耳に入ってしまいます。耳栓をしてしまうと、先生から名前を呼ばれたときに気づくことができなくなるのでつけることができず、静かではない環境で勉強することを強いられます。

 

 大型連休中に55段階を受けたい場合はお金を別途払う必要があります。先に述べた通り55段階は順番通り解く必要があります。45級から1級までは基本問題が主であるため、早く段に入りたいにも関わらず、制約があるためなかなか先には進みません。そのため、必然的に大型連休中にお金を払って55段階を受けざるを得なくなります。

 

 ③学費

  とても高いです。四谷学院には通常授業以外に、大型連休や年末年始に特別講座があります。(例:春休み→さきがけ55段階、G.W→皐月特訓、年始→正月特訓など)また、このような期間中の55段階は別途お金を払う必要があります。従って、特別講座をとらない場合、その期間は授業・55段階が全くない状態になってしまいます。

 

 さらに、特別講座には抽選がつきものです。抽選にかからないためには一定以上の講座数を申し込む必要があります。

 

 また、四谷学院は学校法人ではないため学割がききません。電車やバスを使わない方は無関係ですが、利用する場合、定期代がめちゃめちゃかかります。

 

 つまり、簡単に言うと、

 100万円は軽く超します。

 

 以上述べたことは真実ですが、主観が入っているということをくれぐれも注意してください。

 

 

 

 最後に予備校選びに迷っているあなたに忠告します。予備校はあくまでも補助です。予備校に通ったら受かるなんてことはありません。もしそうなら、みんな第一志望に行っているはずです。是非、自分が受かるための道具としての予備校を選んでください。

                                Q.E.D.